インターフェースを見ると、波形モニタやヴェクタースコープやフィールドモニタなどなど、どこかで見たような機材ばかり…。
音楽の世界ではハードウェアがソフトウェアシンセでエミレーションされる事が定番となっているが、まさに-On Location CS3(以下OL)は、その映像版といえる。
いくらクリエイティブに作品を作ろうとも、映像には数多くの決まりごとがある。
映像を納めるのには、決められた信号通りレギュレーションどおりに従うしかない。
これがまた大変なのである。

撮影一つにしてもホワイトバランスや音声そして色見など厳密に見ていくには、そのために必要な機材を揃えなくてはならず非常に煩雑である。
その点OLは、全て揃っている便利なものなのだ。
インターフェースはまさにソフトシンセ宜しくどこかで見たような機材を呈したインターフェース。実際につまみやスイッチは稼動し、調節を行える。
カメラの調整、レベルの確認、信号のモニターを簡単に行うことができ、バーチャルリファレンスモニタ、総合的なウェーブフォームモニタとベクトルスコープ、オーディオスペクトルアナライザによって、撮影時のトラブルが避けられる。
必要なものは、SD、HDV、HDカメラとFirewireで繋いだノートパソコンとOLのみだ。
これでレギュレーション通り映像を取り込むことが出来る。便利なソフトウェアである。OLを使用すれば、カメラから映像を直接ハードディスクに録画可能なため、テープ操作をすることなく、瞬時にレビューを行うことが可能だ。
筆者は旧バージョンであるDVRACKでハードディスク録画を行いデッキ代わりに使用していた時期がある。制作プロセスからキャプチャ作業をなくし、実際に自分で機材をセッテイングするよりもなによりも面倒な取り込み作業時間も節約できるほか、ドロップアウトの発生も防ぐことができる。
音声や映像の問題を自動的に検出するので、非常に便利なソフトウェアであるのだ。しかしながらSeriousMagic社の頃から日の目を見ないソフトウェアであった。しかし今回Premiere Pro CS3に付属した事により、ソフトウェアのみの作業に門戸が開かれるのではないかと密かに期待しているのである。

▲これだけのモジュールが実装されている。